CASHにPayday…フィンテックは「貧テック」として利用されているのが現状です
ネットを徘徊していたら、こんな記事を目にしました。
「CASH」という画期的なサービスが、アプリを通して開始するというもの。
CASHのサービ内容は、「対象のアイテム」の写真をスマホで撮り、その写真を元に査定が行われ、「最高2万円」の金額を受け取ることができるというもの。
アイテムの指定はほとんどなく、靴だろうと服だろうと、写真に撮れるものならたいがい査定してくれます。
ここに用いられている技術こそ、かの「フィンテック」。金融サービスと最新テクノロジーの融合です。
このブログでも、過去フィンテックについて触れました。
フィンテックの進化で生活はどう変わる?クレジットカードは消えるかもしれません - マネータイムズ
画期的ですが、ぱっと見で「穴だらけ」なサービスに見えました。その予想通り、なんと公開から一日と持たず「査定停止」に追い込まれました。
サービス開始から16時間で査定停止
なんとサービス開始から、「査定停止」までの時間は「16時間34分」。キャッシュ化されたアイテムの数はなんと「72,796」。キャッシュ化総額はなんと3億6千万円を超えていました。
どれだけ画期的で、どれだけ人々の注意を集めていたかわかりますよね。
この「査定停止」となったいきさつは様々な予想がされています。
なんにせよ、フィンテックの先駆けとなるサービス、その華々しいスタートは「16時間」で一時停止となったわけです。
CASHは何が違っていて、何が今までと違ったのでしょうか。
CASHはやっているのは「質屋」しかし手数料の名目で規制を回避
品物を査定してもらい、それに見合ったお金を受け取るのは、古来からある「質屋」と同じです。
しかし質屋の場合貸金業者より利息の設定がシビアで、「借りていた期間までの利息を日割りで払う」のですが、CASHは固定で15%。2ヶ月の猶予内で、たとえ即日返済を行ったとしても「15%」の金利が課せられてしまいます。
そしてその利息は「手数料」の名目で徴収されるため、法律にも引っかかりません。
「虚偽の申請をしてCASHが不利益を被ったら利用者が賠償」
CASHの規約によると、
「虚偽の申請をしてCASH側が不利益を被ったらユーザーが損害を賠償する」
と書いてあります。
つまり、本物だと思ってた偽ブランド商品を送りつけて、偽物だと判明した時点で賠償。もちろん変な品物送っても賠償。査定の制度がガバガバなのに、この規制の厳しさにも疑問を持ちます。
おさんぽみるく on Twitter: "これもCASHしていきます。 https://t.co/tXq5UkAa5R"
現金化の需要に応えたサービスか?
CASHは、利用者の審査などはほぼ行われていないと思われます。
あるのはただ、アイテムの査定のみ?利用者のCASH使用情報は、どの信用情報に、どのように記録されるのでしょうか。
つまり、これにより「カードローン」や「クレジットカードのキャッシング」が利用できない層でも利用可能。現金を手に入れることができるのです。
メルカリに頼らずとも、このアプリで最高2万円まで手に入るのです。
アイテム査定がガバガバなのも、2ヶ月の返済猶予があるのも、もしかしたらこれが理由なのかもしれまん。
「Payday」というサービスも今後発表予定
CASHの運用会社は「payday」という金融サービスも同時に運用しており、近日公開予定となっています。
このサービスも「フィンテック」を利用したもので、スマホアプリを使って即日お金を借り入れることができるサービスとなっています。
…つまり、やっていることはそのまま「消費者金融のカードレスのカードローン」と同じ。まだ金利設定や審査について明かされていないものの、ネット上では「サラ金2.0」などと呼ばれています。
見た目を華やかにして「毎日をお給料日に」なんて言い換えて、やっていることはそのまま「借金」です。
最近銀行カードローンの利用者が自己破産に追い込まれるなど、問題が多発していますが、これらのサービスもすぐに問題視されるでしょう。
我々は、「フィンテック発展の過渡期」に生きているのだなと、改めて感じさせられるニュースでした。