これからの日本人を取り巻く消費活動は変わっていく
今週の扱う時事問題は、2016年10月13日の日本経済新聞3ページ、「小売15%減益」そしてその下の話題「消費の軸は体験・ネット」というニュースを取り上げたいと思います。
この話題は、上場している小売企業の決算報告によると、全体の純利益が前年同期比で15%減っているというニュースです。
人々の節約志向が強まると同時に、百貨店やスーパーの業績が軒並み下がっているそうで、反比例して旅行やスポーツ観戦など「体験型消費」の需要が高まっていると書いてありました。
この業績悪化の波はコンビニエンス業界にも及んでいるそうで、ローソンの業績も前年度比で5%減ったとか。かの、大規模ショッピングモールで有名な企業「イオン」も、7年ぶりの最終赤字を記録したと、この記事では述べられていました。
この小売業の業績が悪化している要因には、人々の「節約志向」があげられます。
その節約志向の表れとして、低価格メニューを売りにしている「サイゼリヤ」は前年度比46%増加を記録しているそうです。
人々はお金を出し渋っている
このニュースで明らかになったのは、人々の消費志向はなりを潜め、これからはなるべく使うお金減らしたいという強い願いです。
その背景には、単純に自分に入ってくる収入が減ったことも言えるでしょう。
しかし、僕はそれ以上人々が「将来の不安」を感じていることを読んでしまいます。
これからの未来、日本の経済状況がますます悪化していくことが容易に予想できる現代。日々使うお金を減らし、少しでも未来に使えるお金を蓄えておきたいという思いを、このニュースから深読みしてしまいます。
もし将来日本経済は良くなっていく予想ができていたとしたら、「スーパーや百貨店で物が売れない」なんてニュースを聞くことも無いのではないでしょう。
このニュースで100円ショップの売れ行きが好調だと言われている理由は、100円ショップの企業努力によって、製品の品質向上によるものだけではないはずです。
これからは「体験して記憶に残る娯楽」がメインになる
業績悪化のニュースの下には、「後に残る物を買う」という消費の流れから、これからは「何か目に見える物として残らずとも、体験して記憶に残る」ものへお金を払うという消費スタイルがメインになっているとも書いてありました。
例えば音楽の分野。CDの売れ行きは伸び悩んでいる反面、コンサートやライブ、ミュージカルなどの「体験型娯楽」の業績は上がる一方だそうです。
なぜか?それは、人々が「少しでも楽しい気分で居たい」と思っているからではないでしょうか。
使えるお金が少ないし、世間は暗いニュースばかりだけど、単純に皆で盛り上がれる文化にお金を払いたいというニーズが広まっていると、僕は考えました。
皆一様に不安な気持ちを抱いています。
「もしかしたら再びとても大きな地震が来るかも」「このまま少子高齢化が進んで、日本社会の悪化は止まらないのでは」。
そんな気持ちを振り払うためにも、「目で見て触れる物」から、「皆で一斉に盛り上がれる文化」の方にお金を払う需要が高まっているのではないかというのが、僕の見解です。
後に残るものより、何も残らずとも思い出すだけで楽しくなれる「記憶」にお金を払いたいと思っているのではないでしょうか。
10年後20年後の未来は誰にも予想できない
10年前に、これほどまで「スマートフォン」が普及している社会を誰が予想できたでしょうか。毎朝の電車内で、スマートフォンの画面を見てない人の方が珍しいくらいです。
10年後、20年後の近未来は、ますます情報化社会が進み、今とは違う消費活動や違う価値観が一般的になるかもしれません。
今よりネットもますます発達するでしょう。すでにサービスが充実しきっているAmazonは、もっとすごいサービスを提供するかもしれない。
今後日本が、世界がどうなっていくのか、甚だ見当もつきません。
情報化社会についていくために日々のニュースに気を配るべき
僕達一般市民ができるのは、そんな情報化社会の中において移り変わる時間の中で、移り変わる情報の波に振り払われないように努力するだけです。
そのためには、今ボクがやっているように毎日の新聞の紙面に目を光らせておくことがまずひとつの対策でしょう。
昨日と今日で何が変わったのか。何が同じなのか。そして、これから何が変わりそうなのか。
自分のことばかり、今働いている職場のことばかりでもいけません。
もっと広い視野を持って、日本社会のニュースを追いかけるのが大切だなと、このニュースを見て感じました。