マネータイムズ

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日本の労働環境について

今週の時事問題は、この東京労働局が電通に立ち入ったというニュースを取り上げます。

立ち入り調査の結果、電通全体で6割の社員が会社へ申し出ずに時間外労働、俗に言う「サービス残業」を行っていたとそうです。

business.nikkeibp.co.jp

この労働局の立ち入りは、昨年12月25日電通社員である24歳の女性が、電通でのつらい労働環境を苦に自殺したことによるものです。

このサービス残業をしているのは、何も電通に限っての話ではありません。

もっと言うと自殺というのも、日本という国では珍しい話ではないのが悲しいですね。

日本の空気を読む文化

日本人には「空気を読むこと」を美徳とする文化があります。

「残業費を請求すると、会社が人件費を多く払うことになる」

「残業を届けると、上司の評価が下がるのではないか」

など様々な「憶測」をもって社員は残業を届け出ません。

この「残業を届け出ない」のは、今にはじまったことではないはずです。周囲のことを過度に慮り、相手のマイナスになりうる行動は起こさない。「角が立つ行動」も控えるべき。日本社会にはそんな空気が蔓延しています。

もちろん、この文化による利点もあります。空気を読むことは「相手を思いやる」ことに繋がりますし、察しあう日本人の物腰は、他の諸外国から見れば、「奥ゆかしい」と好評です。

しかし反面、労働環境で空気を読みすぎると、若い女性が自ら命を断つことにもなってしまっている。これはとてもじゃないですが「良い」とは言えない事態です。

変わりゆく日本の労働環境

日本人の意識下で、古くから根付いた、「空気を読む」思考回路が出来上がっています。

これは「今すぐやめろ」と言われてもできないはず。何かの政策や行動で、国民性を根本から変えるのは、不可能ですよね。

しかしこのニュースにより、日本企業の働き方の是非が問われていたり、日本人の労働環境が諸外国より遅れているという意見も少しずつ耳にするようになりました。日本の労働環境に変容の兆しも見えてきているのも確かです。

そういえば、最近こんなニュースをみました。「ヤフー社」が週休3日制を導入するという、驚きのニュースです。

gqjapan.jp

ヤフーは本社が米国にある企業とはいえ、日本国内の会社でこのようなニュースが流れるのは、一昔前の日本ではありえなかったはずです。

ここまでわかりやすく労働環境が変わる事は無いとはいえ、「サービス残業」を強いるような企業は今後減っていくのではないかと、個人的には考えています。

働く時間が短くなっても、生産量は変わらない

私個人の意見としては、例え労働時間が短くなっても、「仕事による生産量」には大きな差が生まれないと思っています。確かに、時間をかけて何かを「作る」ような仕事では、多くの時間を使うほど生産量をあげることはできるでしょう。

しかし、頭脳労働、「アイデア」を元に働く仕事ならば、時間をかければかけるほど良いものができるわけでもないと思っています。

個人的な実感として、休日前日のほうがいきいきと仕事ができているのも確かです。「バンバン休め」ということはないものの、「良いアイデア」「画期的なひらめき」を手に入れるには、適度な休息が必要不可欠なのではないかと、私は考えています。

「仕事が嫌だ」とかではなく、一時的にでも仕事から離れる余裕を持つ方が、日々の生活に活気が出るはず。人間たるもの、「疲労」が溜まることから逃れることはできませんからね。

自殺した女子社員だって、ふらふらな状態でどれだけ仕事をしても、そんな状態で会社に貢献できていたわけではないはず。

メリハリをつけた働き方をするべき

私が今回言いたかったのは、「日本人はもっと休むべき」ということではありません。

普段の仕事で、より大きな生産力を生むためにも、生活の中でしっかりと「休め」ということが言いたかったのです。

残業費だって同じことです。

確かに、残業費が増えると、会社にとって損です。しかし、しっかりと残業した分の報酬を会社からもらえた方が、「会社から評価されている」「会社に貢献しよう」という意識のメリハリがつくのではないでしょうか。それによって、会社にとってより大きな戦力となることにも繋がりますよね。

会社側、社員側双方にとってメリットのはずです。

何のために働くのか

私は今、残業を強いられる環境で働いているわけではありません。しかし、だからこそ、しっかりと成果を残そうという気分で働けています。

まだまだ自分の課題は多いけどその課題を一つ一つ潰して、会社にとって頼れる一戦力になりたいと、常に考えています。

その考え方ができている一つの要因には間違いなく、「働きやすい環境で働けている」ことが入っていると、そう感じています。