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マネータイムズ

カードローンから、世界の世情を表すニュースまで。

事故でお金は手に入るかもしれないけど、そこで失ったものは一生戻ってきませんよという話

今回の話は今から5年以上前のこと。私がまだピチピチの頃の話です。

ある、6月の梅雨の日。

バイト先の喫茶店へ向かう途中の道で、自転車に乗っていた私は、道路を横断してきた車に轢かれました。

私が事故を起こした道路は、車の制限速度20キロの、住宅街のど真ん中の道。後の調べで、私を轢いた車は、50キロ近く出していたそうです。

車に轢かれる感覚…みなさんはご存知でしょうか。実は私もよく知りません。なぜならその日の記憶は、朝からすっぱり無くなっているのです。恐怖が度を超えると、脳はその記憶を消すのだと、後で脳外科のお医者さんが教えてくれました。

その後脳の記憶が始まるのは、1ヶ月ほど後の話になります。

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2ヶ月間の入院のはじまり

私が車に轢かれたのは、学校を卒業した春の終わり。ですが私が病院を退院したのは夏真っ盛りでした。事故した日から2ヶ月間の入院生活の始まりです。

2週間の眠りから覚めた私(その頃の記憶はまだない)を待っていたのは、機能がガタ落ちになった身体を元に戻す作業。日々治療の日々です。

その間は地獄の日々を送っていました。地獄は言い過ぎかもしれませんが、身体の多くが麻痺で動かず、以前できていた動作がまったくできないストレスは、とても大きなものでした。しかも全身の骨がボロボロ。薬はたくさん飲む。つらみ。

私は右利きですが、右手が麻痺していたので、文字を書くこともできませんでした。しかも喉にはケーブルが入ってて喋れない。他人と意思疎通ができない状況です。

そんなひどい有様で、およそ一ヶ月間をすごしました。トイレ、お風呂も、看護師さんにつきっきりで世話されてました笑

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治るのか?の質問に「わからない」の回答

入院中ある日私は不安になりました。入院中って暇なのでどんどん考えが暗い方向に行っちゃうんですよね。

私が思ったのは、「俺はずっとこの状態なんだろうか」。こんなひどい状態でこれからの人生送りたくないなあ。そう思った私は担当医に聞いてみることに。

「俺、身体治りますよね?」

「なんとも言えません」

今思えば、嘘でもいいからあの若いお医者さんに「治る」と言ってほしかった。あの会話で私は、「下手したら身体が一生このままなのか」という恐怖と戦うことになりました。

そこから、しばらく睡眠薬に頼る生活がはじまったのを覚えています。

治療費、その他費用は保険金で賄われた

入院費、治療費その他もろもろは、ほとんど保険金で賄われました。例えば入院中買う雑誌などすごく細かい支払いでもすべて、保険金がおりたと記憶しています。

しかしそれで私は「得した」なんて思うことができませんでした。死にかけた恐怖、身体が動かない恐怖、その他もろもろで金銭感覚なんて麻痺していました。

頭がまとまらなくて、看護師さんや、御見舞に来てくれた友人なんかに当たったことがあるくらいです。あの時はみんなに迷惑をかけました…申し訳ない…。

その後裁判へ

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今でも信じられないことですが、この事故は軽い「刑事事件」となりました。なんと、高等裁判所での裁判にもつれこんだのです。

退院した私を待ち受けていたのは、「裁判」でした。

私は法廷内で意見陳述を述べることに。

ちなみに私は裁判ではじめて、私を轢いた相手の顔を見ました。加害者の男性が謝りに来たがるのを、親が止めていたからです。

私はそこで加害者の男性を見て、「気が弱そうな人だな」と思ったのを覚えています。

ちなみに、知らない人も多いでしょうが、事件の被害者が裁判に来ると、裁判所からお金をもらえます。なんの名目か忘れましたが、往復の交通費を差し引いてもあまるくらいの金額だったのを覚えています。おそらく、加害者側はもらえてないと思います。

裁判の結果は覚えていますが、はっきり言ってどうでもよかった。あの気の弱そうな男性が、もう人を轢くことが無ければ、それでよかった。重い処罰も望みませんでした。

今あの人はどうしてるんでしょうか。安全運転してくれてるだろうか。

2年間のリハビリ生活と、事故の置き土産

そこから私は2年間のリハビリ生活に入ります。走ったり細かい動作をしたり、脳トレみたいなこともたくさんしました。

そして結論から言うと、現在私は他人から見ると「むしろ健康体」に見まごうくらいの身体になりました。

そして若かった私は多少の保険金で懐が潤いました。

ですが、覚えてないものの、車に轢かれたあの日の恐怖。目が覚めて、身体が動かない恐怖。以前のように頭で考えられない恐怖。強い薬の副作用などで、ひどく辛い思いもしました。私は一生この記憶と、多少後遺症が残ったこの身体と、今後つきあっていくことになります。

これは、いくらお金をもらっても釣り合わないものです。

お金との付き合い方を見直しましょう

お金を手に入れる手段は多いです。悪いこと、自分を切り売りして稼ぐ方法。わざと事故にあって、慰謝料を請求する人も。

ですが、今回の私のようにお金を得ても、そこに喜びも達成感もない。

自分のできること、やりたいことを、少しでも人のために使って、これからの人生を大事に生きていきたいと、私はそう思っています。